国大協臨時総会に関する新聞記事を全大教のメイリングリストhe-forum
から転載します。
9月15日 大学改革情報ネットワーク
[he-forum 72]
日本経済新聞 9月14日 朝刊
国立大法人化「反対」を維持
国大協が臨時総会 特例法の制定求める
国立大学の独立行政法人化問題を協議していた国立大学協会(国大協、
会長・蓮實重彦東大学長)は十三日、臨時総会を開き、先に検討チームが
まとめた法人化に関する条件などの報告書を各大学に説明した。総会後に
記者会見した蓮實会長は一般行政事務の効率化を目的とした独立行政法人
通則法を直接大学に適用することについて、「支持する学長はいなかった」
と述べ、一昨年十一月に国大協が表明した法人化反対声明を現時点でも変
更しない考えを明らかにした。
国大協の検討チームの責任者の松尾稔名古屋大学長は「法人化される場
合は大学の自治を確保する特例法の制定が必要」とした報告書の性格につ
いて「万一、法人化が実現した場合に(国大協が)遅滞なく対応するため
に満たすべき条件を整理したもの」と述べ、法人化を前提とした「条件闘
争」ではないことを強調した。
しかし、文部省は今月二〇日に開く国立大学長会議で、大学自治の尊重
を条件に、国立大を国の行政組織から分離し、独立した法人組織とする考
えを伝える方針。
こうした動きを踏まえ七日に開いた国大協の検討委員会では、「総会後
に国民に向け、何らかのメッセージを発信すべきだ」との意見も出たが、
九十九国立大の総意として法人化の是非に関する見解をまとめるには至ら
なかった。
この日示された報告書は、先の国会で成立した独立行政法人通則法が大
学の自主性を損なうものだと指摘。仮に法人化する場合は(1)学内の最
高意思決定機関(評議会)を設置し、学長選考を実施する(2)教官人事
について大学の自治を認めた教育公務員特例法を維持する(3)主務省が
行う大学の業績評価は学内や第三者評価機関の意見を尊重する−など、通
則法の原則を修正すべきだとしている。
国大協は通則法を国立大学に直接適用することには反対の姿勢を崩して
いないが、「行革の中、九十九すべての国立大学を現状のまま残すのは困
難」との判断に傾いており、法人化が避けられない場合には、大学の特殊
性に配慮した新たな立法措置を求める道を模索する方向だ。
[he-forum 73]
毎日新聞 9月14日朝刊
国立大学の独立法人化 自治確保する立法を
国大協の中間報告「学長は学内で選考」
全国に99校ある国立大学の独立行政法人化問題で、国立大学協会の第1
常置委員会(委員長・阿部博之東北大学長)は13日、法人化に反対する
中間報告をまとめ、各大学に提示した。しかし、法人化が将来実現した場
合は、大学の自治や教育・研究の自由を守るため、学長を学内の評議会で
選考することなどを中間報告に盛り込んだ。
独立行政法人を規定する通則法が「法人の役員は主務大臣が任命する」
「総務省などが作る評価委員会が業績を評価する」などと規定しているこ
とについて、同委員会は「そのままでは大学に適用することはできない」
と指摘。国立大学法や国立大学法人法(仮称)などで修正し、大学の自治
や教育・研究の目標を確保するとした。
具体的には、学内に評議会組織を設置して学長の選考を実施する▽教官
の人事について、大学の自治を認めた教育公務員特例法を維持する▽通則
法では主務省が行うとされる業績評価について、大学の自主性を尊重し、
独自の外部評価機関を設ける――などの修正を求めている。
総会後の会見で蓮實重彦・国大協会長(東京大学長)は「通則法での法
人化に賛成した大学は一つもない。中間報告も万一、法人化になった際の
検討で、これをもとに各大学でも検討が進むと思う」と述べた。
政府は、行政組織のスリム化を目指し、各省庁の業務の一部を切り離し
て民間企業のノウハウを取り入れて効率を高める独立行政法人化制度の導
入を決定。2001年から10年間で国家公務員の25%を削減する計画が中央
省庁等改革推進本部で決定された。
しかし、企業のような効率性が求められれば予算削減や学校間格差の広
がりなどの懸念があり、国大協は1997年11月、独立行政法人化は「大学
にはそぐわない」と反対を表明した。
しかし「行財政改革の流れに背を向けるわけにはいかない」(蓮實会長)
と、法人化も視野に入れて検討してきた。 【澤 圭一郎】
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Asao Habe