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Date: Fri, 19 Dec 97 10:02:35 +0900 From: habeSubject: [view 00060] Fwd: [reform:833] 千葉大の「飛び入学」制度の問題について To: view@phys.hokudai.ac.jp (view ML) , Message-Id: <9712190102.AA14894@astro1.sci.hokudai.ac.jp> Posted: Fri, 19 Dec 97 10:06:58 +0900 X-Mail-Count: 00060 Subject: [reform:833] 千葉大の「飛び入学」制度 の問題について Sent: 97.12.19 2:03 AM Received: 97.12.19 9:42 AM From: OTA Kunio, kunio@cue.e.chiba-u.ac.jp Reply-To: Reform@ed.niigata-u.ac.jp To: Daigaku Kaikaku Joho ML, Reform@ed.niigata-u.ac.jp 千葉大の「飛び入学」制度の問題について (「全学組合ニュース」第18号より) 1997年6月26日の臨時評議会は、丸山工作学長が反対意見を押しきる形で「跳び入 学」制度の実施を決定した。「飛び入学」とは、中央教育審議会の第二次答申が示 し た「稀有な才能を持った子どもたちのための教育上の例外措置」で、当面は数学と 物 理の分野に限って大学入学年齢を17歳以上とするものである。 実は、この中教審第二次答申が出たのは1997年6月26日であり、まさにこの日を待 って学長は臨時評議会を招請したのであった。審議会で結論が出る以前から、学長 は 千葉大における「飛び入学」制度の実施を目指して各学部に検討を指示していたの で ある。 しかし、やはり大学審議会で検討中であった「大学教員の任期制」を千葉大学で 導 入しようという学長の意図は、部局長会議内に設けた作業部会が2度にわたって否定 的な結論を出したことで、各部局ごとの意思を尊重せざるを得なくなった。これに 教 訓を得てか、「飛び入学」については評議会で学長が協力をお願いするという形で の 実施となった。 ところが、やはりこの6月26日に評議会と平行して開催された、学長の出身学部で ある理学部の教授会は、当の数学科と物理学科が反対したこともあり、理学部が「 飛 び入学」の実施主体にはならないことを確認した。こうして、工学部が物理分野の み で実施するという、変則的な形での実施となったのである。 「飛び入学」に対する反対論は、まず、そもそも「稀有な才能」を持つものが毎 年 5人も発見・認定されて千葉大に集められるのかという点、また、高校2年在学時に 大 学受験を認めることで、高校教育に負の影響を及ぼさないかという点にある。 さらに今回の千葉大のプランは、1人の学生に専門分野と大学生活の面で2名の指 導 教員をつけるというものであり、このような「純粋培養」でいったいどのような学 生 が育つのかという疑問もある。また、普遍教育における多人数講義などの問題を放 置 したまま一部の学生だけ優遇するのは差別であり、担当教員の負担過重とそれに伴 う 同僚教員や一般学生への影響も懸念される。 実際、学内措置で先進科学センターが設置され、多くの教員がボランティアとい う 名目で、一本釣りの形で兼任教員の辞令を交付されている。もともと「飛び入学」 そ れ自体には反対でない人たちの間でも、今回の、学内での民主的な議論と合意を得 ず に強行される「先進科学プログラム」には批判が高まっている。(K.O) ---------- 大田邦郎 (OTA Kunio) 千葉大学教育学部教育学教室 kunio@cue.e.chiba-u.ac.jp ----------------------------------------------------------- Asao Habe Division of Physics, School of Science, Hokkaido University, Sapporo, JAPAN TEL 81-11-706-2693 FAX 81-11-727-3498