「ある晴れた朝」

 
 さわやかに晴れわたったある冬の日の朝のことである。 札幌の冬は一面真っ白なため、美しく晴れるとなんとも 爽やかなものである。

 軽い足取りで学校へ向かっていた。気分がよいため赤信号も無視せず ちゃんと立ち止まる。しかし、その信号をとことこと軽い足取りで 無視して交差点を渡る白いものが。巨大な犬です。ピレーネー犬です。 走れジョリーのあれです。ぷるぅぅぅぅ(巻き舌で GO!)

 その犬は、とても嬉しそうな顔で後ろを振り向いてまた、てってって っと走っていった。飼い主から逃げる犬はとても嬉しそうな顔をするものですよね。 そこへ、後ろからだぁーっと3人組みの男の人たちが走って来た。 手には紐のようなものを持っている。見た目、ワイヤーみたいなんですけど、 ワイヤーのわけが無いので紐だろうと考える、いつも通り浅はかな僕。 その3人組みはちゃんと信号で止まりました。視線の先は鋭く犬を追っています。 ははぁ〜ん。わかったぞ。君たちがあの犬の飼い主なのだね。せっかくのピレネー犬が 少し薄汚れておったよ。ちゃんと洗ってあげたまえ。

 信号が青になるや否や、その3人組みはすごい勢いで、犬を追いかけて走っていきました。 ん〜微笑ましい。よいかなよいかな。浅はかな僕はよい気分でてくてくと学校へ向かいました。

 大学構内でさっきの犬をまた発見。3人組みに首にワイヤーをかけられています。 明らかにワイヤーです。苦しそうです。何やってんだあいつら?自分の犬に! その時、彼らの横に止めてある車が目に入りました。書いてありました、はっきりと。
保健所って。

 爽やかな空気の中、すっかり嫌な気分になってとぼとぼと研究室に向かいました。


モドル

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