「おしり」

 その日は事情があって小太郎(職業:飼い犬)のことで頭がいっぱいだった。そして友人の家でお酒を飲み、そのまま寝てしまった。

 夢の中で友人に、「岡本、お尻に小太郎のお尻がついてるよ」と、後ろから声をかけられた。

お尻に小太郎のお尻が?

どういうことであろうか。僕にはさっぱり分からなかった。夢の中で必死に考える僕。太ったってことかしら?尋ねてみる。「太ったかな?」
「いや、そうじゃなくてお尻・・」
なおも言い張る友人であった。だんだん、自分でもお尻に小太郎のお尻がついているような気がしてきた。夢の中で説得されるなよ、岡本。断っておくがお尻が小太郎のお尻になってしまったわけではない。感覚としては自分のお尻の表面に小太郎のお尻が張りついている、といった感じである。

 目が覚めた。風邪をひいたらしい。頭が重く、喉が痛い。ボーッとしていた。友人を揺り起こす。

「何?むにゃむにゃ
「僕のお尻に小太郎のお尻はついておるか?」
「はぁ?」

その白い目は何だ?友人よ。 


モドル

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