「珈琲たいむ」

 
 その日の僕は一日研究をがんばり非常に疲れていた。365日このペースでやれば一年に10本は論文がかけるのではないかと言うほどがんばった。まぁ、何万本論文を書こうが大統領になって葉巻でおいた出来るわけではないのだが・・。
とにかく疲れていた。コーヒーである。コーヒーが必要である。僕は無類の(と言うほどかどうかは知らないが)紅茶好きだが、疲れた時には断然コーヒーに限る。

 その時は不幸なことにコーヒー豆が切れていたため、インスタントコーヒーを飲むことにした。ゴールドブレンドだ。だばだぁだばだぁだぁ〜♪。基本的にはコーヒーはブラックで飲むのだが、インスタントはまずいので、クリープと砂糖をたっぷり入れることにした。あらら、砂糖入れが空っぽではないか。無い無い尽くしである。しかし、幸運なことに、棚の中を探すと袋に入った砂糖が出てきた。それを自らのコーヒーに入れ、また、空になった砂糖入れにも砂糖を補給しておいた。ここら辺の細やかな心遣いが日本人的ではある。

 さして、期待もせずにコーヒーを一口飲む。悲鳴と共に一気にそれを目の前の流しに吐き出した。おそらく僕の顔は真っ青になっていたことであろう。想像を絶する味である。慌てて砂糖の袋を確かめた。「天塩」と書いてあるではないか。なるほど、あの味はコーヒーの苦みと塩味の奏でるハーモニーであったか。その場に居合わせたF先輩に馬鹿にされながらゼミ室を後にした。
 しばらくたった・・・

ぎゃぁぁぁ


隣の部屋から悲鳴が聞こえた。そう、我々は砂糖入れの中の天塩をそのままにしておいたのだ(わざとだよ)。何たる悲劇。事情を知らないK先輩は僕が飲んだのと同様の物を飲んでしたまったのだ。そして、彼の目の前にあったのは流しではなくマッキントッシュであった。吐き出せるわけが無い。彼はマックを愛しているのだ。それが塩コーヒーを吐き出さずに飲み込んだ理由に違いない。すばらしい。あれを飲み込める人がいたなんて。僕はK先輩に人間の無限の可能性を見せてもらった。すごいぞK。だからそんなに怒らないで・・・

レシピ(一人分)

インスタントコーヒー・・・適量
クリープ・・・適量
食塩・・・茶さじ二杯
お湯・・・一カップ


モドル

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